みなさん、こんにちは。ほどく行政書士事務所・行政書士の村下です。今回は「国・自治体・財団は、なぜ補助金を出すのか?」というテーマです。「そんなことはいいから、補助金を獲得する方法を書いてくれよ…」という方もいるかもしれませんが、補助金を獲得するうえでも重要なテーマですので、お付き合いいただければと思います。「何もいらないからお金をあげるよ!」という制度?基本的に「お金をもらう」という行為には、何かしらの見返りが期待されますよね。例えば、お金を借りるときは利子を払ったり、株主には配当を出したりします。しかし、補助金はどうでしょうか?補助金は基本的には返済不要な資金支援の制度です。「何もいらないから、お金をあげるよ!」というわけです。しかし、宝くじやお年玉以外でそんな美味しい話があるのでしょうか?(実はお年玉も親が見返りを払っているわけですが…)「補助金は中小企業や団体を救済するための制度なのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、補助金は新型コロナ禍などの非常時に支給される「支援金・給付金」とは異なります。補助金は困窮した企業に一律に配られるわけではないからです。政策目標の実現と社会課題の解決が求められる見返りそのお金を社会にどのように還元するのか。国や自治体が補助金に求める見返りは、「政策目標の実現」です。例えば省エネルギー技術を支援する補助金は、より効率的な産業モデルの確立や環境問題の解決といった政策目標の実現を目指しています。中小企業を支援する補助金は、地域の雇用の増加などを目標に掲げています。補助金の原資は税金(あるいは寄付金)です。したがって、補助金を受ける企業や団体には、その見返りとして補助金を政策目標の達成や社会貢献に役立てることが求められます。補助金が募集される前に「予習」できることそのため、補助金を獲得するためには、まずその制度が目指す政策目標を理解することが重要です。そして自社の事業がどのように政策目標にマッチしているのか、さらに補助金を受けることで、より効果的に政策目標を達成し、社会に貢献できることをアピールすることが重要です。このアピールをするために「予習」できることがあります。それは地域社会の課題の把握です。自社・団体の事業が、もっとも影響を及ぼすことができるのは、事業を展開する市や町、あるいは集落といった単位の地域社会です。そのため、日頃から地域社会の課題を把握し、自社の事業がどのように貢献できるかを検証しておくことで、補助金を獲得する可能性が高まるだけではなく、選択肢も広がります。隠れた社会貢献性例として、2つの起業の事例を考えてみましょう。地域の課題に着目することで、起業の隠れた社会貢献性が浮かび上がります。例1起業内容A町に塾が1件もないため、売上を見込んで新たに開業する。地域課題A町は、町で唯一の高校の進学実績が芳しくなく高校進学時の地域外への流出が多い。→売上が見込めるだけでなく、人口流出の歯止めにも寄与する例2 起業内容オーガニックを好む人向けに無農薬のお米と野菜を使った加工食品の会社を立ち上げたい地域課題B町はある渡り鳥が来ることで有名だったが、田の水質汚染により飛来数が減っている社会貢献性無農薬栽培の契約農家が増えることで、水質汚染が軽減され、観光資源である渡り鳥が戻ってくる。このように、地域の課題を把握することで、自社の事業に秘めた社会貢献性を見出し、結び付けることができます。例1の場合は、人口減少を食い止めるということで、地域活性に関連する自治体・省庁の事業が使えるかもしれません。例2の場合も、起業に関する補助金だけではなく、環境系や観光系の補助金にも応募できる可能性がでてきました。このような分析には、RESAS(地域経済分析システム)や統計ダッシュボード、地元金融機関が発行する経済概況などがとても参考になります。当事務所で提供する補助金申請のサポート自社の事業の社会貢献性を自分で見出すのは、なかなか難しいですよね。(自分で自分を褒めるような…)当事務所の補助金申請サポートでは、様式に沿った書類の作成だけではなく、面談を通して、お客様の強みを掘り起こす手助けをすることを心がけています。まずは、お気軽にご相談ください。