こんにちは!ほどく行政書士事務所の村下です。 某ECサイトのセール日程が発表されましたね。今から「何を買おうか?」と計画を立てている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「バーゲンセール」と「補助金活用」について、共通点をお伝えしたいと思います。「得をしなきゃ!」という罠バーゲンセールの罠バーゲンセールでは、「必要なもの」を「お得に」手に入れることを目指しますよね。 しかし、ついつい「今年最大のビッグセール!」「年に2回の○○デー!」といったキャッチフレーズに魅了され、「何かお得な商品を買わなきゃ!」と思ってしまうことはありませんか?これまで欲しいと思っていなかった商品でも、割引率が高いものをとにかく探して、カートに入れてしまったり…。結果として、お財布が軽くなり、使わない商品が家に積み重なることになります。(ちょっと変わったキッチングッズとか、サプリメントとか…)上手にセールを活用できる経営者でも…。補助金活用でも、同じように「手段が目的化する」罠に陥る経営者は少なくありません。むしろ、バーゲンセールで上手に買い物をしている経営者でも、補助金活用ではこの罠に陥りがちです。それはセールだという認識がないからです。多くの補助金は、支出した経費の一部が補助される仕組みです。例えば中小企業が活用しやすい「小規模事業者持続化補助金」を例にしてみましょう。この制度は通常枠で補助上限額50万円・補助率2/3という制度です。75万円の対象経費を支出すると、50万円が補助されます。つまり「補助金に採択されたら50万円もらえる!」のではなく、「75万円の商品が25万円で買える」ということです。このように実質的にはセールと同じく「割引で会社に必要なものが手に入る」ということなのですが、「補助金」という名前から「お金がもらえる(増える)」という誤解を招いてしまうことがあります。それによって、「補助金をもらわないと損!」と考え、本来必要のない広告を出したり、過剰な設備を導入したりするケースも見受けられます。なかには「何でもいいからうちで使えるいい補助金はないか?」という質問をされる方もいます。このように、補助金を手に入れることが目的化することは、余計な経費の支出につながり、経営を効率化するという本来の目的に対しては逆効果となってしまいます。補助金の罠を回避する方法では、どうすればこの罠を回避できるのでしょうか?その答えは、「日常的に事業計画をしっかり準備する=必要な投資を精査する」です。例えば、セールでお得にパソコンを買いたい場合、セールが始まる前に必要な性能やデザイン、安価な店舗を調べますよね。セールが始まってから調べたのでは、十分な情報を集めることは難しく、慌ててセールで購入した後に、より安くパソコンを販売しているお店を見つけてしまうことになるかもしれません。補助金活用においても同様に、日頃から自社がどのような投資をするべきか検討しておくことが重要です。そうすることで、合致する補助制度の公募が始まったときに、効果的に活用することができます。また、日頃から事業計画を準備しておくことは、補助金を獲得する確率を高める上でも役立ちます。補助金は誰にでも配られるわけではなく、国や自治体が事業計画を審査し、資金を効果的に活用する会社を選択するからです。このように、日常的に事業計画を練ることは、補助金を有効に活用するためだけでなく、事業全体の効率化にもつながります。「とにかく補助金をとりましょう!」とは言いません補助金活用支援は、当事務所の専門分野の一つです。だからこそ「とにかく補助金を取りましょう!」「何か使わないと損ですよ!」といった言葉は使わないようにしています。本当にお客様である企業や地域にとって必要であるかを考え、場合によってはお客様が望んでいても「今回はやめておきましょう」と伝えることもあります。そんな事務所ですので「補助金を使おうか迷っている」という段階でも、まずはお気軽にご相談していただければと思います。